相手の「言うなり」にならなければ、食糧とエネルギーを止められ、餓死したり、冬の寒い時期に暖房で暖まる事が出来なくなる。
餓死と凍死が嫌であれば、全て相手の言う事に従う奴隷にならなければならない。
奴隷にならないためには、自分達の手で食糧とエネルギーを作らなければならない。
全ての物質・エネルギーの生産・流通を市民の手の中に置かなくてはならない。
この部門には絶対に指導者、支配者、リーダーを作ってはならない。
市民が日常的に行動できる範囲に「出来るだけ」この生産・流通を置かないと、市民にはそれを監視し、運営する事は出来ない。
日常生活の「向こう側」まで、生活者である市民の行動半径はなかなか伸びて行かない。
それが、市民が奴隷にならないための方法である。
地域内での生産・流通に合わせた地域通貨が、ここで必要になる。
通貨も自分達で作る必要がある。他人の作った通貨を使う事は、奴隷への道である(拙稿「国が紙幣を発行する事自体が犯罪行為」を参照)。
地域通貨は既に日本国内だけで300カ所で実践・使用されている。
300の地域がロックフェラーを拒否し、日本国家に反旗を翻し、奴隷になる事を拒否し、生活を始めている。
地域通貨は
1、1万円札のように実際に目に見える紙幣の形を取っているもの。
2、ネット上の、ヴァーチャルな通貨の形を取るもの。
3、通貨の形を取らずに、ネット上に個人個人の預金通帳を作り、そこに記載される形を取っているもの。例えば、家事労働1時間預金、育児労働1時間借入れ等。
1の場合には通貨を紛失したり偽造されたり、という問題が出てくる。
1、2の場合には「通貨の供給量」を管理するという、中央銀行的な機能を考えなくてはならない。この中央管理システムが権力に転換する危険性は常にある。
3の場合は、貸借対照表のような形で簡便であるが、経済規模が拡大したときにこのシステムで対応できるか、という問題が残る。
1、2のケースでは、A、Bという品物・サービスの取引の媒介に必ずCという通貨が入る。3の場合は、C=通貨が独立して存在はしない。そのため3では通貨が「一人歩きし、自己増殖する」事は無い(独立通貨は経済学では「物象化現象」の原因として悪の根源とも見なされている)。
いずれも実験段階にあるが、300の地域で通貨が破綻したケースは全く無い。市民は自分の生活を破壊し、破綻させたくない。だから通貨も破綻させないように運営する「良識・常識」を持っている。
通貨を乱発し、異常なまでに印刷し続けた米国政府、日本政府、欧州各国政府のような「非常識」、ドル暴落の危機に瀕している米国政府の異常と、市民の常識・良識は「正反対」である。
3の場合では、ネット上の通帳に、自分が売りたいもの、買いたいものを書き込む。老人介護を1日2時間出来る。畑仕事を1日3時間出来る。あるいは、手打ちソバを自宅に来て作って欲しい・・・等々。需要と供給が一致すると、ネット上で「ヒット」する。お互いに連絡を取り合い、細かい条件を交渉する。何月何日、何時に老人介護に来て欲しい等、と細かい調整を行う。
毎月、第三日曜日には、東京の府中の喫茶店「カフェスロー」で、全国の地域通貨実践者達が集まり、その苦労話、成功、失敗談を話し合い、知恵を出し合い、交流を続けている。
(続)

