農業を研究する農学と、昆虫学と言う異なる分野を「出会わせる」事により、昆虫の天敵を利用した害虫駆除と、農薬を使用しない安全な農産物の生産が可能となった。異業種を「出会わせる」事で、新たな技術の進化と、新たなビジネスが産み出される。そして農学と昆虫学を出会わせる事で、新たな技術とビジネスが産み出されると、予測・直感し、この異分野を出会わせた人間は、極めて高いインテリジェンス(情報能力)と、時代の先を見通す能力があった事になる。この能力が、アントレプレナー・企業家の最大の武器である。
ビル賃貸業は、単なる場所と空間の提供事業ではない。ロシア・アヴァンギャルド建築学以来、建築デザイン思想の根源は、異分野同士、今まで出会った事の無い情報を持つ人間同士を出会わせ、全く新しい思想、情報、技術を産み出す「空間」を建築により作り出し、提供する事にある。ビル賃貸業、建築学とは、情報生産空間の「生産事業」である。
ビル賃貸業とは、それ自体が情報産業である。
そのため、IT長者と呼ばれるIT企業家達は、相互の情報交換と新しい技術、ビジネスモデルの発見・生産を目指し、1つのビルの中に、あるいはシリコンバレーのように1つの地域の中に、集住する。IT企業家達は、まるで女王蜂に仕える働き蜂の住む、無数の部屋が集積する「蜂の巣」の中のように、1つのビル、地域に、集住する。
100個の情報が1ヵ所に集中する事により、100個の情報の総和では無く、全く新しい1つの情報が産み出される。
量が質に転換する。
この古典的な情報理論を、アントレプレナー達は忠実に実行している。
ライブドア元社長の堀江と、逮捕された村上ファンドの社長は、この情報交換を株式のインサイダー取引として摘発された。彼等に資金を提供していたのは、イスラエルの富豪の経営するランベール銀行の姉妹銀行、ブッシュ大統領一族の銀行リーマン・ブラザースであった。彼等は、IT長者と言う名前で、イスラエル=米国の金融家達の「先兵」として、日本の大企業=優良資産の乗っ取りを行っていた。
働き蜂である堀江、村上に、蜂の巣の1つ1つの小部屋を与え、日本の優良資産の乗っ取りという「蜂蜜、ローヤルゼリー」の生産を行わせ、新しいビジネスモデル生産のためのビル=「情報空間」=六本木ヒルズを与えていた、女王蜂・森ビルは、イスラエルの対日投資窓口であった。
堀江、村上等、働き蜂は使い棄てであり、役割が終わると使い棄てにされたが、女王蜂は、今日もローヤルゼリーを食べ、成長を続けている。