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2007年11月16日

インチキ市民運動、サラバ



  海野弘「陰謀の世界史」(文芸春秋社)を読む


 世の中に、陰謀好きな人達はたくさん居る。雨の日に、車が水を跳ね飛ばし、自分のズボンがビジョ濡れになると、「これはCIAの陰謀だ」と騒ぎ出す奇妙な人達である。

 本書は、そうした人間の陥りがちな、濁った思考パターンの秘密を読解してくれる。

 JRの新宿駅からお茶の水駅まで中央線で向かう時、快速電車の方が、当然、各駅停車よりも早い。しかし、快速に乗るには新宿駅で20分待たなくてはならず、各駅停車の電車なら今すぐ乗車出来る状態であれば、「お茶の水駅まで、どの電車に乗れば良いですか?」と質問されれば、「この各駅停車で行きなさい」と当然、教える。各駅の方が早いからである。

 しかし後になって、「快速より時間のかかる各駅で行けと命令した、あなたは何て意地悪なんだ・・あなたは人デナシだ」と非難されたら、どうするであろうか?

 誰でも、ボウ然とする。

 同じ事が起こった。

 先日、オルタナティブ通信に掲載した拙稿に対し、独立党という組織の関係者と名乗る人物から、拙稿の情報収集方法について質問が来た。

 筆者Aは、その質問者Bが、日本在住で、米国の公文書資料館等に容易にアクセス出来る人ではない、と判断した。また、官公庁、多国籍企業の内部資料に簡単にアクセス出来るような社会的立場の人物でもない、と判断した。そこで、一般市販の書物を複数、照らし合わせて読解する事で、拙稿記載の内容が「間違いない」と確信し得るようになるように、市販書物の読解の仕方、読解の視点を教えた。そうすれば、「ほぼ拙稿記事が間違いない」と「推測」出来る状態に達するであろう、と教えたのである。

 相手が特殊な文書にアクセス出来ない立場であると見て、筆者は親切心からそのように教えた。

 すると、その質問者Bは、「推測」の一語を捕えて、拙稿が「推測だけで書かれている」と、大々的にネットで宣伝を始めた。

 「各駅停車で行けと嫌がらせをした」と怒鳴られている人物のように、筆者は、ボウ然とした。相手の立場を考え、親切心で教えた事が、「憶測だけで記事を書いている」と針小棒大化されて、罵倒された事になる。

 陰謀論者は、「自分に都合の良い部分だけ抜き出し、拡大解釈する」。

 この「病状」が悪化すると、雑誌フォーブスの元アジア支局長のようになる。

 オルタナティブ通信の筆者の全く面識のない人物(おそらく女性)で、フォーブスの元支局長の「ファン」である人物から支局長あての、憶測に基づいて書かれた電子メールを公表したのである。

 その電子メールには、その女性が、あたかもオルタナティブ通信の筆者を、よく知っているかのような話が書かれていた。

 元支局長の公表したメールには、筆者と全く面識の無い人物による、憶測と偏見が記載されているのである。

 そして、その女性は、結論として「オルタナティブ通信の筆者は、英国スパイだ」と言うのである。筆者は007扱いである。

 しかし、少し考えて見れば、この女性のメールは、すぐに何ら根拠のないものであると分かる。

 この女性は、目の前の人物が、「どこの国の諜報組織の人間か分かる」という、特殊な能力を持っている人物と言う事になる。

 「敵国のスパイを発見する」には、米国CIA、英国諜報組織、イスラエル諜報組織等の、主要なメンバーの顔と身振り手振りの癖、変装した時の癖、等が一通り、全て頭に入っていなければならない。つまり、この電子メールの女性は、スパイ摘発=防諜のプロだと言う事になる。

 すごい人物を、フォーブス元アジア支局長は、知人に持っているものである。


 元支局長は、「評論家」として陰謀論をしばしば主張するが、単なる陰謀論を主張する評論家などより、この防諜のプロの女性の方が、よっぽどスパイの世界について詳しいはずである。

 だとすると、この女性が、陰謀論を主張する元支局長のファンである事は、ツジツマが合わなくなってくる。電子メールの女性の方が、元支局長よりもスパイの世界に詳しいはずであり、女性が、元支局長のスパイ=陰謀論のファンになる事自体、ツジツマが合わない。

 つまり、電子メールの女性は、防諜のプロなどではなく(そんな人間がザラに居る訳がない)、単なる妄想癖のある人物であり、元支局長がそれを巧みに利用し、自分のファンの女性が妄想で書いたメールを送信して来たものを、そのまま、真実が記載されているかのごとく、確信犯的に公表したのである。

 そして、その捏造メールの内容は、オルタナティブ通信の筆者が、何と、007だという内容である。

 陰謀論者は、陰謀を発見摘発するのではなく、しばしば「自分で陰謀話を捏造するのである」。

 この元支局長は、陰謀話が「評論家」としての専売特許であるから、その陰謀話が「大部分、捏造話である可能性」が、このオルタナティブ通信の筆者=007説の「偽造性」から導き出される。

 元支局長は、この女性が敵国のスパイを見抜くプロだと主張するなら、この女性に以下の質問を行い、返答を聞いてみたら良い。複数あるロシアの諜報組織で、知能を駆使する組織と暴力を駆使する組織は全く別であるが、それぞれの組織の名前を質問して見ると良い。基本中の基本である。プロならば即答できるはずである。



 私達が陰謀を暴露するのは、世の中が政治的な陰謀によって、悪い方向に行かないように、と懸念するからである。世の中を良くしたいからである。

 世の中を良くする陰謀暴露で金を稼いだりするなら、そんな「世直し」等、ウソである。

 私達は世の中を良くする事で金など欲しくないのである。ただ、世の中を「良くしたい」だけである。

 オルタナティブ通信は、無料で誰でも読める。お金など取った事は一度も無い。そして、毎日のように無料で、新しい情報を出している。転載も自由である。

 誰かのように、講演会で金を取り、出版で金を取り、DVDで金を取ったりはしない。

 もし陰謀を防ぎ世の中を良くしたい志が本当であれば、食糧自給率が40%を下回る日本の農業は、これからどうしたら良いのだろうか?元支局長は、答えられなくてはならない。

 石油資源の無い日本は、これからどうしたら良いのだろうか?元支局長は、答えられなくてはならない。

 フォーブス元アジア支局長の話の中で、有機農業の害虫駆除技術の話を聞いた事があるだろうか?

 全く無い。

 有機農業の害虫駆除技術について調べずに、どのように日本が農薬の無い、安全な食料の生産を継続し、食糧自給率を高める事が出来るのであろうか?

 陰謀の暴露と同時にそうした研究をしなければ、世の中は良くならない。本当に世の中を良くしたいのであれば。

 日本農業の再生の具体的プランを提示せずに、どのように日本を救い、日本を良くする事が出来るのだろうか?

 オルタナティブ通信は、継続して日本の農業再生のプラン、有機農業技術について記事を書いて来た。本気で日本を救いたいからである。

 石油の全く無い日本は、将来どうするのであろうか?

 フォーブス元アジア支局長の口から、非アモルファス系太陽光発電装置の話、ゴミのメタンガス発酵による日本のエネルギー自給の可能性について、具体的数字と統計を上げた議論が出た事があるであろうか?

 日本のエネルギー自給の具体的数字を上げた可能性の議論、政策作りの議論をせずに、どのように日本は生き延びる事が出来るのか?世の中を良くする事ができるのであろうか?

 本当に世の中を良くしたいのであれば、陰謀の暴露と同時に、そのような議論をしなくてはならない。

 元支局長は、そのような議論をした事があるのか?本当に世の中を良くしたいのか?

 地方分権、地域自治、有機農業、エネルギー自給、地域通貨の実験、オルタナティブ通信は、その全ての分野で、具体的政策と研究論文を2000種類あまり紹介して来た。

 英国スパイである(笑)、オルタナティブ通信の筆者が、どうして日本農業再生のプラン、天敵を使った害虫駆除の有機農業技術について研究するのか?

 ベンジャミン・フルフォードは、一度でも、小松菜、ほうれん草から、農薬を使用せず害虫を駆除する技術について語ったであろうか?元支局長は、DVDと講演会で金を取ったかも知れないが、無料のオルタナティブ通信には、有機農業と害虫駆除技術について情報公開がされている。

 世の中を変えるのに、いっしょに闘う仲間達から金を取る必要が、どこにあるのか?

 指導者、支配者、権力者の居ない社会を作るために、ロックフェラーと闘う市民運動に、市民運動の指導者、リーダー、親分が必要なのか?

 我々市民は、ロックフェラーによる支配に代わって、市民運動のリーダーによる支配、市民運動の指導者達による「支配」を、望んではいない。絶対に。

 我々は、誰にも支配されない事を望んでいるのだ。

 誰にも支配されない、支配させない、社会を作る市民運動であるなら、運動のプロセス自体の中で、権力者、指導者、支配者の居ない市民運動で、なければならない。指導者のお説教を聞いて金を払う、「指導する者と指導される者」の上下関係は、廃絶されなくてはならない。平等な市民同士であるならば、「私を支援してくれる皆様」などと口が裂けても言えないはずである。「支援する者と、される者」の関係が、あってはならない。

 元支局長「様」は、平然と「私を支援してくれる皆さん」と言う。いつからそんなに偉くなったのだ?

 いつから、市民運動は、権力者と指導者を容認する程に腐り果てたのだ?

 私は、市民の、仲間の命を救うために、ロックフェラーの陰謀を暴くのである。仲間の命を救うのに、オルタナティブ通信は、仲間から金を取ったりはしない。恥ずかしくて、そのようなマネをする事は断る。

 ビジネスとしての陰謀論商売なら、ビジネスのネタとして陰謀が無くなっては困るから、自分のファン=信者の女性の「助けを借りて陰謀があったように」、陰謀を捏造し、仮装しなくてはならない。

 仲間の命を救うための陰謀暴露なら、陰謀を捏造する必要は全く無い。



 海野弘「陰謀の世界史」は、こうした狂気の陰謀論の独特の癖を上手に分析して見せる。

 また、錯誤や思い込みの陰謀論か、「現実に起こっている事の正確な分析としての」陰謀論かは、その人間の発言を言語学で構造分析して見ると、分かりやすい。ロシアの言語学習ツヴェタン・トドロフ「象徴の論理」(法政大学出版会)、新カント派の哲学者で、文豪ゲーテの形相論を発展させたエルンスト・カッシーラ「人間 この象徴を操る者」(岩波書店)、フランスの言語学者・精神分析学者ジュリア・クリステヴァ「セメイオチケ」1、2巻(せりか書房)が基本的な分析道具を与えてくれるであろう。出来れば、ロシアの言語学者ミハイル・バフチンの著作集を全巻(新時代社)、フランスの小説家ナタリア・ギンズブルクの兄弟で、博物学者カルロ・ギンズブルクの著作も、一読を推薦したい。

 また、陰謀好きの人達には、同じ海野弘の「秘密結社の世界史」平凡社、「スパイの世界史」文芸春秋社が、奇人列伝として楽しいかも知れない。

 最後に、筆者は、金儲けとも、ロックフェラーと1対1で会談するスタンドプレーとも、リーダーとして市民運動を支配する権力欲とも、全く無縁なので、アジア支局長「様」とも、独立党とも、2度と言葉を交わす気は無い。
posted by 00 at 08:53 | TrackBack(2) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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