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2021年02月07日

アメリカとロシアに食い物にされる日本



書物短評 : デーヴィッド・カーン 「暗号戦争」 早川書房


 第二次世界大戦中の日本とアメリカの、暗号解読合戦の様子が本書では詳細に分析されて行く。情報戦・諜報戦での日本の敗北が、日本の軍事行動が完全に事前にアメリカに「読み取られる事によって」、日本の敗戦の決定的要因となった事が分かる。

戦争の勝敗を決めるのは兵器・軍事力ではなく、情報力・諜報力である事を、本書は歴史的事実として証言している。2010年、北朝鮮の核ミサイルに対抗し日本の核武装を唱え、軍事力の強化で問題を解決しようとする事が愚行である事は、過去の戦争の勝敗要因を分析する事によって明らかになる。

「戦争は他の手段をもってする政治である」(クラウゼヴィッツ)以上、政治外交とりわけ諜報の分野で日本が決定的に常に「敗北し続けている」事が、北朝鮮の核ミサイル・拉致問題の解決を不可能としている。北朝鮮の外交官の圧倒的多数を「育成しているのがアメリカ政府」であり、北朝鮮の小学校での英語教育の費用は全額アメリカ政府が負担し、北朝鮮国内の鉱物資源ウランの開発を担っているのがアメリカ企業であり、このウラン売却の利益が北朝鮮の核ミサイルの開発資金となっている。アメリカの軍事力に依存し、北朝鮮に「対抗する」等、茶番劇を超えて笑劇である。過剰な飲酒で肝臓の重病に陥った患者に、大量にウィスキーを飲ませれば病気が治癒すると考えるのは狂気である。アメリカに依存しつつ北朝鮮問題を解決し得ると考える事は、狂気である。


 本書にはIBMと言うコンピューターの草分け的企業が、「暗号解読という軍隊組織の中から」、その成長の種子を育成させられて行った、興味深い事実が語られている。米国最大手の電信電話企業AT&Tも、同様である。

米国の3大TVネットワークの生みの親RCA社も含め、米国企業の多くが、軍隊の派生商品、軍の別働隊である事実は、「平和ボケ国家日本の住民=日本人」に、もっと認識されて良い。

平和時の情報産業の正体は、軍組織の諜報部門の別働隊である。



 また、冷戦の始まる、はるか以前、第二次世界大戦以前から、ロシア諜報部はアメリカ社会、米軍諜報部の「中に深く溶け込み」、両者が深部で「計らずも一体化」して来た事実を見逃すと、日本は、今後、航路を誤る事になる。ロシア帝政の下、アメリカ諜報部に「深く溶け込んだ」ロシアの諜報部は、「そのまま」ソ連共産党時代に継続使用され、ソ連共産党崩壊後も、その諜報部は、旧KGB出身のロシア・プーチンの最大政治基盤となって「生かされて来た」。

時の政治権力体制の変化に関わり無く、諜報組織は全ての歴史を「通底」する。

2010年、ロシアのプーチンが「私的に経営する」、スイスの投資ファンドが、アメリカとの共同事業に投資され、プーチンのポケットマネーがスペースシャトルと米軍の宇宙軍事技術の開発に投資され、このロシア=アメリカの投資ファンドが、北朝鮮国内の「情報通信網」の整備を担当している。

アメリカVS北朝鮮、アメリカVSロシアの対立図式等々、TVに登場する、政治権力者の「デマ宣伝担当者=茶坊主・大学教授」達の政治的「妄想」の中にだけ存在する。

東側からは、アメリカというライオンが突撃して来る。西側からは、ロシアというチーターが突撃して来る。チーターとライオンがケンカするのだと思い、安心し、真ん中に立っていた羊の日本は、気付いた時には、ライオンとチーターのエサになっている。
posted by 00 at 16:14| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする