バラク・オバマ大統領の政策ブレーンであるズビグニュー・ブレジンスキーに「セカンド・チャンス」というタイトルの著書がある。
「ブッシュが軍事力で世界支配を企て失敗した。次は、外交交渉と金融を使い、眼に見えない形で静かに世界支配を戦略的に推進する」、ファースト・チャンスはブッシュが失敗した、次は世界帝国建設の「セカンド・チャンス」である、という露骨なタイトルの書物である。
軍事力を使わない事から、それは「ソフト・パワー戦略」とも呼ばれる(この言葉は、ジョセフ・ナイの言葉)。
ブレジンスキーは、世界をアジア、ヨーロッパ、南北米大陸に分割し、この3極を「相互に争わせ」、バランス・オブ・パワーを作り出し、「分割統治」する戦略を取っている。
第二次世界大戦中、米国は日本を敵国として、戦争を戦った。
その際、反日本であった中国共産党を米国は支援し、人民解放軍に軍事訓練を施していたのは米国であった。
中国空軍にファントム戦闘機を500機以上、売却し、中国共産党の「軍事的脅威」を作り出してきたのはアメリカ自身であった。
米国は尖閣諸島をめぐり、日本と中国が対立する事を「懸念」すると表面的には主張しているが、世界をアジア、ヨーロッパ、南北米大陸に分割し、この3極を「相互に争わせ」、バランス・オブ・パワーを作り出し、「分割統治」する戦略を取っているように、アジアにおいても日本と中国との対立を「歓迎」し、バランス・オブ・パワーを作り出し、「分割統治」する戦略を取っている。