誰が大統領となっても米国の基本的政策は変わらない。
AEI
アメリカン・エンタープライズ研究所、CSIS戦略国際問題研究所といった研究機関が、米国政府の政策を「決定」し、こうした研究機関のメンバー
が大統領補佐官、閣僚、側近として多数大統領の周辺を「固め」てしまうためだ。大統領は、こうした側近達により「動かされている」に過ぎない。
本年5月、AEIが今後の米国の外交戦略について「会合」を持った。また3月にはCSISが同様の「会合」を持った。
これは、ブッシュ大統領の「次の大統領」を睨み、既にその政策の「作成が着手」された事を意味している。
「世界の統一」を目指すこの組織は、その「統一軍隊」の中心となるFEMAの創立者である、米国を代表する戦略家ズビグニュー・ブレジン
スキーの指導と影響を強く受けている。時期を合わせたように、ブレジンスキーは「セカンド・チャンス」というタイトルの「外交戦略文書」を発表した。
以下にブレジンスキーの戦略文書と2つの研究機関の会合の内容から、特に
アジアに関わる部分を抜粋して見る。
これ等の米国の外交戦略は、
A. 最終的な目標
B. 最終的目標に至るための戦略
C. 当面取るべき政策
の3つに明確に分類され分析され、ABCが「相互に矛盾」している点に特徴があり、「戦略価値」がある。
A.今後米国は、世界の中心を「中国」と考え、中国、ロシア、
ヨーロッパを含むユーラシア大陸を「世界の中心」と考える。
このユーラシアの周辺に太平洋と大西洋があり、「そこに浮かぶ辺境の島国」が南北アメリカ大陸であり、オーストラリア等となる。
米国は世界の中心では全く無く、ユーラシアという世界の中心を動かすための「道具」として「
使い捨て」にされる手段が、アメリカ合衆国でありアメリカ大統領である。
このユーラシアの「統一」が最終目標(A)となる。
B.この目標達成のため、米国は中国の軍事大国化と「世界の工場」としての地位の確定、巨大な中国市場という
マーケットの育成に全面的に協力する。
C.当面、米国、
イスラエルは、影から中国の軍隊の近代化、核兵器、ミサイル技術の向上を全面的に支援する。
本年、この米国=中国の政策により、中国は通信衛星のミサイルによる撃墜実験に成功した。これは、今後ミサイルによる戦争の「戦場」が宇宙になる事を示している。
この中国による「宇宙戦争」の宣言は、米国の軍事産業、宇宙産業にとって極めて歓迎すべき事態であり、米国はこの
ビジネス・チャンスを全面的に推進する。
中国の宇宙戦争をさらに推進するため、米国は中国の軍備拡大とミサイル技術向上を「アジアにおける不安定要因」として「表向き」非難し、中国への徹底的な敵対的軍事行動を準備する。米国に敵視される事により、中国はますます強行に軍事力を強化する事になる。それは米国の軍事産業の利益ともなる。
従って米国は、「中国の大国化」推進のため、中国への厳しい敵対戦略を軍事的に採用する。
C.具体的には中国を「撃退」するため、米国はミサイル技術と宇宙開発技術の徹底的な強化を行う。そのため米国は「中国脅威論」をマスコミ宣伝する。
この米国の軍事力強化は、米国軍事産業には大いにプラスとなる。
米国と中国との激しい軍事対立=「戦争準備」を実行し、米国と中国は相互に軍事強国に成長する。そして米国軍事産業は利益を得る。
米国は敵国=中国の成長のため、中国に対し軍事技術援助と
資金援助を全面的に行う。
つまり、中国を世界の中心とするため、米国は中国を全面支援し、「表向き」中国を徹底的に敵視する。
また、中国の軍事強国化は周辺のインド、カザフスタン、東南アジア、日本にとって脅威となる。
米国は、この周辺諸国に大量の兵器を販売し、中国敵視政策を取らせる。
既に米国は、インドの核兵器技術向上の契約に調印している。米国は、日本も将来核兵器で武装すべきと考え、核兵器の「日本への売り込み」を積極的に行う。
この中国の周辺諸国の軍備拡大は、米国軍事産業にとって大いに利益となる。
こうした周辺諸国による「中国封じ込め」政策は、中国をますます強行に軍事強国に成長させ、それは米国軍事産業にとって大いに利益となる。
また、中国を世界の中心とする目標を早く達成させる事になる。
一方、米国の石油産業が、アフガニスタン、トルクメニスタン等に持つ、石油、天然ガス・パイプラインを中国、インド等に拡大し網の目のように張り巡らさせる。アフガニスタン、インド対中国との軍事対立戦略と、エネルギー産業という産業基盤分野での「一体化」は何等矛盾ではない。中国とインドとの軍事対立とエネルギー基盤の一体化は、中国によるユーラシア統一のために必要不可欠である。「対立国を対立したまま統一する」・・これが戦略的思考である。
これが分からない人間には、一生政治と外交は分からない。
中国の成長のためには、ロシアの石油パイプラインが不可欠である。ロシアの石油産業と中国の地下経済はイスラエルが把握しているため、この点で不安は無い。ただし、ロシア内部にイスラエルを嫌う民族派がおり、ユーラシア一体化に逆らう可能性がある。このロシア民族派への脅迫として、米国は核兵器をポーランド等に配備する。(既に配備済み)
ロシアのパイプラインは中国全土、日本にまで網の目状に伸ばし、ユーラシアのエネルギー一体化を推進する。
一方、北朝鮮には、今後核実験とミサイル発射実験を繰り返させる。北朝鮮には「乱暴者」の演技を継続してもらう。これに激怒した日本人を、さらにマスコミを通じ「中国脅威論」で洗脳する。単純な日本人は簡単に軍備拡大と核兵器武装に走るであろう。それは米国軍事産業の「狙い通り」である。
日本の軍備拡大は、中国が日本に対抗するためと称して軍備拡大を計る理由となる。中国大国化のためには、中国と日本との感情的対立を利用する必要がある。
この点、日本人の「単純」さは戦略的に「使い捨て」可能である。
南北朝鮮はやがて統一する。
韓国は北朝鮮と対立する理由が無くなり、韓国に駐留する米軍は撤退する。朝鮮半島は中国の影響下に入り、米国イスラエルは中国を通じ朝鮮半島をコントロールする。
韓国駐留の米軍という防波堤を失った日本は、パニックになり軍備拡大に走るであろう。
日本の軍備拡大は、それに対抗する中国の軍事大国化をもたらす。それはユーラシアの中国による統一という目標に適している。日本、中国両方に軍備を販売し、米国軍事産業は潤う。
ここでも中国脅威論という単純な日本人の「妄想」は、マスコミ操作で増殖させる価値がある。
日本と中国=朝鮮半島を常に敵対関係に置いておく必要がある。
軍事対立の一方、ロシアのエネルギーにより、中国、朝鮮半島、日本を経済的に一体化させて行く。これはユーラシア一体化の一部である。日本国内での「中国脅威論」は、軽率な日本人の洗脳のためであり、中国に対抗するための日本の軍事力強化は「ビジネス」でしかない。(BとC)。
ユーラシア一体化が最終目標であり、従って中国に逆らうとどうなるか、日本の首脳部に「思い知らせる」ため、米国政府は時々従軍慰安婦問題等で「日本叩きキャンペーン」を行う。(A)
以上が、ブレジンスキー等の戦略文書のアジア部分の抜粋である。
中国脅威論、北朝鮮脅威論に洗脳されず、軍備と核兵器にムダな資金を投入せず、東南アジアとロシアからのエネルギー・資源を安定確保し、地域分割され割拠状況になるであろう中国、ロシア各地に、日本の衛星となる複数の友好地域を確保する仕事が日本の急務である。
複数の友好地域は資源と消費市場としての将来性から選定する。
中国脅威論、北朝鮮脅威論は百害あって一利無しである。